協会会員ブログ

遺品整理依頼者の心情 by 鈴木昌巳

神奈川支部の鈴木です。

私は現在 協会神奈川支部でリーダーを務める傍らで保険代理店を経営しています。

どちらかというと法人企業のお客様より個人のお客様の方が多いこともあり、
日々、ご家庭内での出来事の案件相談にも複数対応しています。
自動車事故・火災事故・ご病気や、お怪我などなど。

そして、そう頻繁ではありませんが、
お客様がお亡くなりになった旨のご連絡をいただく事もあります。
事故の場合もあれば、ご病気の場合も……。

さて最近でも、あるお客様の奥様からご連絡を頂きました。

実はひと月半ほど前にご主人が急性心筋梗塞でお亡くなりになっていたと。
まだ60代後半です。
私の父ともぴったり同年代ですので、これはもう他人事ではありません。
ご自宅で倒れて30時間後には霊山へ旅立たれたそうです。
生前、私にもとても優しくして頂いた方でした。

私は、すぐに向かいました。

息子さんが3名いらっしゃいますが既に別で所帯をもっており、お住まいには奥様おひとりです。
とても、疲れ切ったご様子。
保険以外のことにも、あらゆる各種の手続きに関して、
ひとつひとつお伺いし、丁寧にアドバイスしました。

ひと段落し、他にお困りな事はありますかと尋ねますと奥様は涙ぐんで言うのです。

「息子たちが怒るんです」

「市役所にいってこい、法務局にいってこい、電話で聞いてもわかんないんだから!と言われます」

「家の中のゴミ(遺品)だって早く捨ててしまえ!と言われています」

思わず、
息子さん方も、寂しい気持ちをどうしていいかわからないんですね。
お母さんに甘えてるんですよ。
それに、ゴミなんてないじゃないですか。全部大切なモノです。
でも、使うモノと使わないモノに少しずつわけていきましょう。
ゆっくりでいいですよ。
そう私は奥様に言っていました。
言っている自分が泣けてきてしまいました。

帰り際、「本当にありがとう」と言って頂きましたが、
他人である自分が具体的にやれることは、もうありません。
しかし、他人でも寄り添うことはできるんだな、と思った出来事でした。

協会の活動に携わる前の私は、そんな時のご遺族の深い悲しみに寄り添う気持ちを
ひとりの人間として当然ながら持っていても、
では実際にどうすればいいのかが、あまりわかっていませんでした。

今は、協会の活動を通してお客様以外でも遺品整理依頼者の方々と
お会いする機会が多くなり、いまだ手探りではありますがその都度、
しっかり対応できるようになっています。

協会では生前整理・遺品整理アドバイザー認定講習を開催しています。
様々な本業で活躍される、また、ご家庭で活躍される一般の主婦の方など
様々なアドバイザー認定者が、それぞれのやり方で依頼者に寄り添うカタチを、
アドバイザー育成を通して広く作り上げていきたいと思っています。

関連記事

コメントは利用できません。